インターネットミニ染織講座

紕帯のできるまで(生地を紕帯の形状にする<仕立て>)

 

染めた生地に柄を入れる<刺繍>からの続きです。

 

5. 仕立て
刺繍が完成した生地を紕帯の形状に仕立てていきます。

 

(1)下生地の準備
オリジナルの紕帯の製法にならい、紕帯となる刺繍を施した生地に薄青色の下生地を
重ねて仕立てていきます。
まず紕帯生地にあわせて予め準備していた薄青色に染めた下生地をカットしていきます。

裁ちばさみで下生地をカット

 


(2)生地をプレスする
のちの作業を行いやすくするために、紕帯生地と下生地をあわせ、動かないように裁鎮と
よばれる重しをして、熱したコテでプレスします。
紕帯生地に過剰な熱が伝わらないよう当て布をしながら丁寧に作業を進めていきます。

熱したコテでプレス
もう一方もプレス

 

(3)針をうつ
プレスが完了したところで、柄をあわし、要所要所に針をうっていきます。

柄をあわし、針で固定

 

 

(4)縫製
紕帯生地と同じ色の糸を使って、生地と生地とをあわせた面を縫っていきます。
紕帯は刺繍の入った面(生地と生地とをあわせた面)が帯の正面になるため、
縫い糸が出ないよう注意を払いながら作業を進めていきます。

 

 

 

様々な工程を経てきた生地は仕立てによってついに完成形となるわけですが、
そこに行き着くには多くの職人さんたちの技と手間があり、ひとつの物語を見て
いるような感覚になります。

 

 

<今回の道具>

裁鎮
コテ
裁ちばさみ