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インターネットミニ染織講座

衣装復元制作プロジェクト(桃山時代6号)

 

■垣に桜紫陽花文様小袖(桃山時代6号)

桃山時代6号「垣に桜紫陽花文様小袖」は、当時の風俗屏風図や肖像画の他、伝存する能衣装や小袖を参考に制作されています。染織祭衣装8時代の中でもこの時代の衣装は最も豪華絢爛なもので、高度な技術力が余すところなく発揮されています。この衣装は紋綸子の生地を白地・朱地・黒地など三種に絞り染め、黒地には数十箇所に分けて槌目、亀甲、七宝、稲妻など八種の細かい文様を摺箔にし、朱地には格子、網代等を鹿の子絞りで文様にし、朱地及び白地にかけては松梅その他各種の細かい文様を様々な刺繍で表わしています。
制作から85年余りが経過した衣装は、生地の劣化により衣装全体に施された装飾の自重に耐え切れず所々に破れが発生しており、貸付する場合は平置きの展示方法のみに限定しています。

 

 


衣装の現状(オリジナル)

衣装実物は、生地の劣化により、ところどころに破れが生じています。補修を行っても美観を損ねるだけでなく、衣装全体に施されている装飾の自重により再発する恐れがあります。

※クリックで拡大します。

   
原因不明の激しい破れ  経年劣化による折り目の裂け  
 

 

1.生地選定

この衣装に使われている生地は紗綾型に花文様の入った紋綸子です。綸子は現在も生産されているため、柄が実物にほぼ近いものを選定しました.


   

 

2.仮絵羽仕立て

生地決定後、衣装の詳細寸法を計測して仮絵羽に仕立てます。
この仮絵羽に下絵を施し、装飾工程に移ります。

 

 

            <寸法>

      丈   4尺5寸7分
      袖丈    5寸9分
      袖巾    6寸
      袖口    3寸9分
      丸み    3寸5分
       裄   1尺5寸8分
      後巾  1尺0寸1分
      前巾  1尺
      衽巾    6寸4分
      衽下り   3寸3分
      エリ巾   3寸5分
      褄下  1尺

次は下絵の工程です。 

           

 
 
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